0からスタート!ゲーム開発ブログ

ゲーム開発に関する様々な記事を更新します

Unityで作るゲームの素材(アセット)はどうやって探す?注意点も紹介!

はじめに

ゲーム開発をするにはプログラミングだけでなく、少なくとも絵やサウンドが必要です。 絵の場合、2Dゲームであれば画像がメインですが、3Dゲームの場合はモデリングデータやモーションデータ、テクスチャ、マテリアル(材質)など様々なデータが必要になります。特にゲーム開発を始めた時点でこれらの素材を全て自前で作成するのには無理があります。 今はネット上で有償・無償それぞれ素材が揃っているので、必要に応じてネットから素材を集めてゲームに利用することになります。 但し、各種素材にはライセンスがありますので、許可された範囲でライセンスを使用する必要があります。

アセットストアから素材を調達する

フリーの素材を探していても思ったような素材が見つからないことがあります。そのような場合、もしUnityを使っているのであればUnityのアセットストアを使ってみるのも良いかと思います。アセットストアには無償・有償それぞれのアセットがあります(大半は有償)。価格帯も様々ですが、セールにより安くなっている時期もありますので気になる素材はひとまずお気に入りに入れておいてセールの時期を狙うのも良いですし、逆にセールの時期にセール対象の素材をひたすら漁ってみるのも良いでしょう。

Unityで扱える素材のうちゲーム開発の初学者におすすめの素材は以下の通りです。

  • モデリングデータ(2D, 3D)
  • アニメーションデータ
  • 効果音・BGM等
  • ビジュアルエフェクト(VFX

但し、気を付けなければならないことがあります。

自分のゲームプロジェクトを作成する時はレンダリングパイプラインに気を付ける

アセットのうちモデリングデータやビジュアルエフェクトを使用する際、ゲームプロジェクト作成時点での設定が重要になります。 Unity にはいくつかのレンダリング方式(レンダリングパイプライン)があり、制作するゲームの中でどのレンダリング方式にするかを統一しなければなりません。 Unity で使用可能なレンダリングパイプラインは下記のとおりです。

  • Built-in
  • URP
  • HDRP

アセットストアの商品の中には上記3つのどれに対応しているか明示してあるアセットもありますので、購入前に確認するようにしておきましょう。 (明示されていないアセットは…。自己責任で運に天を任せましょう…。)

Built-in

最も古くから使われているレンダリングパイプラインです。Cluster やZepeto などのプラットフォームを使う場合にはこのパイプラインを選択することになると思います。 レンダリング品質よりも描画速度を重視したパイプラインです。 オリジナルのマテリアルを作成するのにシェーダプログラムを書かないといけないため、 シェーダ言語を身に着ける必要があるのと、記述したシェーダの動作確認をするのが面倒なのが非常に大きいデメリットです。

URP

レンダリング品質よりも描画速度を重視したパイプラインで、Built-in の後継に位置するパイプラインです。 Build-in レンダリングパイプラインよりも最適化されており、描画が高速です。 ポストプロセス処理を施せばそれなりの見た目になりますので、よほどのハイクオリティを求めない限りは URPを使用するのがバランスが良いかと思います。 Build-in に比べてシェーダグラフを使うことができるため、マテリアルを作成する時の動作確認が容易であることも注目点です。 他のアセットによる制限がない限り、筆者が最もよく使うレンダリングパイプラインはURPです。

↑ URPでレンダリングした例。よほど画面のクオリティにこだわらないゲームであれば使い勝手が良いです。

HDRP

レンダリング品質を重視したパイプラインです。その分処理負荷が高く、描画速度に劣ります。モバイル機器で使うのには向かず、本記事執筆時点ではハイスペックなPCで動かすことを前提としたパイプラインです。 もし画像単体をレンダリングしてファイルに保存したり、動画ファイルを作成する場合、いわゆるオフラインレンダリングを行う場合は処理負荷がゲーム用途に比べて比較的問題にならなくなりますので、 画像・動画生成用にHDRPを採用するのはありでしょう。

↑ HDRPでレンダリングした例。ハイスペックPCをターゲットにしたゲームや、動画に出力することを前提としたアプリにお勧め。

レンダリングパイプラインまとめ

メリット・デメリットをまとめると下記のようになります。

レンダリングパイプライン レンダリング品質 描画速度 メンテナンスしやすさ
Built-in ×
URP
HDRP ×

特に制限がないようでしたら、ゲーム開発にはURPを用いるのをお勧めします。

なお、Built-in, URP, HDRP をの区別を誤るとマテリアルが正しく処理されなくなり、シーン上のキャラクターがが紫色になります。 もし紫色になってしまった場合でも、テクスチャを張り付けただけのモデリングデータであれば対策が可能なことがあります。

とはいえ、アセットを取り込んでしばらくしてから問題に気づいてしまうと対策するのが困難になることもあります。 ですので、アセットを追加する前に必ずバージョン管理(せめてバックアップ)しておいて、 下記のサイクルを徹底することをお勧めします。

  1. アセットを追加
  2. 動作確認(なるべく実行ファイルまで生成する)
  3. 問題なければ採用、問題あれば潔くアセットを入れる前の状態に戻して代替品を探す

アセットストアのモデリングデータを配置する

モデリングデータはアセットストア 上で2D や3D というカテゴリで販売されています。大半のモデリングデータには形状(Mesh)と材質(Material)が含まれてます。 自分のゲームでこれらのモデリングデータを扱う場合、形状や材質をそれぞれ自分で組み合わせる必要はありません。 取得したアセットの中に拡張子.prefab がついたファイルがあるはずですので、この.prefab をシーン上に配置すればシーン上にアセットストアのモデリングデータが出現します。 拡張子.prefab がついたファイルはUnity エディタ上では青い立方体のアイコンやレンダリングされた時のイメージ画像で表示されています。

↑青い立方体のアイコン

ライセンスに注意

一人で開発する場合はあまり問題ではないのですが、複数人で開発する場合はアセットのライセンスの区別にも気を付けましょう。 ライセンスの種類によって個人ごとにライセンスを調達する必要があるものもあれば、 単一法人・複数法人内でアセットを共有して開発することができるものもあります。

アセット購入前にライセンスの区別をきちんとするようにしましょう。 また、アセット固有のライセンス条件が追加されることもありますし、ライセンスの区別の仕方は今後も変わるかもしれません。

https://assetstore.info/notice/eulamodify20200203/assetstore.info

↑2020年にアセットのライセンスが変更された例

そのため、購入時にはちゃんとライセンスについて確認するようにしましょう。 本記事公開以降もライセンスに変更が出る恐れがありますので、ご自身でUnity公式ページを確認することを強く推奨します。

必要に応じて外注する

フリーの素材やアセットストアの素材を使用していると、ゲームを遊んでいる人からどこかで見たような素材だと思われることがあります。 それ以上に、他の人のゲームに自分が使っている素材が使われているのを見かけると微妙な気持ちになります(筆者もBGMで同じようなことがありました)。 そのため、主要キャラや主要なシーンでのBGMは独自で調達・外注した方が良いかもしれません。 一方、脇役とか効果音くらいであればオリジナリティへの影響は軽微でしょうから、アセットを活用する方がよいでしょう。 独自に素材を作ったり外注する場合はとにかく時間やお金がかかりますので、 時間・お金をかけてでもオリジナリティを重視するか、コストを抑えてアセットストアやフリー素材で済ませるか、 オリジナリティーとコストのトレードオフを考えながら素材を準備していきましょう。

終わりに

今回の記事では主にUnity のアセットストアで販売されているモデリングデータについて触れました。

アセットストアにはモデリングデータ以外にもアニメーションデータやサウンド・エフェクトなど様々なアセットが販売されていますので、 お財布と相談しながら有効活用していきましょう。